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不動産投資で法人化するメリットは?方法やデメリットについても解説

不動産の購入

田中 康義

筆者 田中 康義

不動産キャリア13年

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住宅・不動産・保険・資産運用・教育資金・老後・生活全般のお金に関する事柄を、ファイナンシャルプランナー・宅地建物取引士・競売不動産取扱主任者・日商簿記2級・全珠連暗算1級を持つ私が、「お住まいコンシェルジュ」家造りコンサルティングサービスを通して、皆様のお役に立てるようお付き合いして参ります。

不動産投資で法人化するメリットは?方法やデメリットについても解説

これから不動産投資を本格的に進めるうえで、個人事業主のままか「法人化」するべきか、その選択に迷っていませんか。
設立には、費用や手続きといった一定の負担が伴うものの、個人の立場で投資するよりも、将来的に恩恵を受けられる可能性があります。
本記事では、不動産投資において法人化する方法から、節税などのメリット、そして見落としやすいデメリットや注意点までを解説いたします。
不動産投資で資産を形成していきたいとお考えの方は、ぜひ本記事をご参考になさってくださいね。

不動産投資で法人化する方法と手順

不動産投資で法人化する方法と手順

不動産投資の法人化を検討する際、その手順をおさえておくことが大切です。
まずは、法人化の方法と、必要書類について解説していきます。

会社形態と社名の決め方

会社設立では、まず「株式会社」か「合同会社」かを決めることが必要です。
株式会社は信用度が高く資金調達に有利ですが、設立費用が高く役員任期による手続きも発生します。
合同会社は設立費用が安く定款認証も不要で、意思決定が迅速かつ利益配分も柔軟ですが、信用度が低いと見なされる場合があります。
形態の選択は、不動産投資の規模や将来の事業展望に応じて、慎重に判断することが大切です。
同時に商号(社名)を決め、会社種別の表記を含めることや使用できる文字の制限、同一住所での商号重複禁止などのルールを守る必要があります。
事前に法務局で商号調査をおこない、類似商号の有無を確認しておくようにしましょう。

設立に必要な書類の準備

会社形態と商号が決まったら、法人設立に必要な書類の準備に取り掛かりましょう。
まず、法務局に登録する会社実印、法人口座の銀行印、請求書などに使用する角印の3点セットを作成します。
書類準備の中心となるのは定款の作成で、商号や事業目的、本店所在地、出資財産の価額、発起人情報などを記載します。
株式会社は定款認証が必要で、紙なら印紙代4万円が必要ですが電子定款なら不要で、合同会社は認証が不要です。
資本金を発起人の口座に振り込み、通帳のコピーと払込証明書を準備し、発起人や取締役の印鑑証明書(3か月以内)も必要となります。

法務局・税務署への手続き

必要な印鑑や書類がすべて整ったら、法務局で設立登記申請をおこないましょう。
登記申請書や定款、資本金の払込証明書、印鑑証明書などを本店所在地を管轄する法務局に提出します。
登録免許税は株式会社が資本金の0.7%(最低15万円)、合同会社は0.7%(最低6万円)で、申請から1〜2週間で登記が完了します。
登記完了後は、税務署へ法人設立届出書と青色申告の承認申請書を提出し、給与支払事務所等の開設届出書も必要です。
地方税の届出をおこない、年金事務所で健康保険・厚生年金保険の加入手続きもおこないます。

不動産投資で法人化する節税・融資のメリット

不動産投資で法人化する節税・融資のメリット

前章では、法人化の方法について述べましたが、具体的なメリットも気になりますよね。
ここでは、法人化するメリットについて、解説いたします。

所得分散による税率軽減

不動産投資において法人化するメリットの一つは、税率構造の違いを活かした高い節税効果が期待できる点です。
法人に課される法人税の実効税率は中小企業の場合、所得800万円以下は約25%、超える部分も約34%程度で一定となります。
法人は、「所得分散」という強力な節税策を講じることが可能で、家族を役員とし役員報酬を支払うことで法人の課税所得を圧縮できます。
役員報酬は給与所得控除が適用され、受け取った全額が課税対象とはなりません。
法人化すると経費として認められる範囲が広がり、生命保険料の経費計上や家族を含む役員への退職金支給も可能になります。

消費税還付や損益通算とは

個人の場合、不動産所得の赤字は損益通算できますが、土地取得にかかる借入金利子は対象外です。
法人では、赤字はすべて欠損金となり制限がなく、青色申告なら繰越控除期間は最大10年間と長期です。
不動産投資は初期に赤字が出やすいため、この長い繰越期間は有益といえるでしょう。
また、令和2年度の税制改正により、居住用賃貸物件の消費税還付は原則不可となりました。
事務所や店舗など課税物件では、現在も消費税還付の適用を受けられる可能性があります。

融資審査での評価と借入枠

最後に、法人化は資金調達、すなわち金融機関からの融資においてもメリットをもたらします。
第一に、法人格を持つことで、個人事業主よりも社会的な信用度が向上する点が挙げられます。
個人への融資審査は、その方の勤務先や年収といった個人の属性に依存しますが、法人の場合は独立した事業体として評価されるのです。
第二のメリットは、借入枠、つまり融資の限度額が拡大する可能性が高い点です。
法人を設立すれば、個人の与信枠と別に、「法人の事業性や収益性」に基づいた法人の与信枠が設定されることが期待できます。
これにより、個人としての借入枠と、法人としての借入枠を実質的に二重に確保できる形となり、投資規模の拡大を追求しやすくなります。
なお、設立直後は実績がないため、代表者個人の連帯保証が求められることがほとんどです。
しかし、法人として安定した経営を続け、良好な決算を積み重ねることで信用評価は向上するでしょう。
その結果、次の物件を取得する際の追加融資がスムーズになったり、より有利な条件を引き出せたりするなど、資金調達の選択肢が広がります。

法人化のデメリットと知っておくべき注意点

法人化のデメリットと知っておくべき注意点

ここまで、法人化の方法やメリットを解説しましたが、デメリットもおさえておきましょう。
最後に、法人化する際のデメリットと、注意点について解説していきます。

設立時の初期費用

法人化は、個人事業主と比較にならない費用や制約が伴います。
先述しましたが、法人設立には法務局への登記手続きのための法定費用が必要で、株式会社は登録免許税が最低15万円、定款認証手数料が約5万円かかります。
合同会社は、定款認証が不要で登録免許税も最低6万円からとなり、株式会社より費用を抑えることが可能です。
専門的で複雑なため司法書士へ依頼することが多く、報酬として5万円〜10万円程度が必要となります。
設立段階から税理士に相談することも多く、助言料が発生し、家賃収入が入る前に数十万円の自己資金が必要となります。

運営にかかる維持費

法人は赤字でも納税義務を免れず、その代表が法人住民税の均等割で、最低でも年間7万円程度を納付します。
法人の会計処理と税務申告は複雑で、複式簿記や膨大な申告書の作成が必要となるため、税理士との顧問契約が事実上必須です。
また、税理士報酬は、年間20万円から50万円程度の費用が発生します。
法人化すると社会保険が強制加入となり、役員報酬に応じて保険料が労使折半で発生します。
法人が負担する法定福利費は固定費となり、役員報酬の設定次第では資金繰りを圧迫する可能性があるでしょう。

資金繰りと運営の複雑さ

法人化に伴う注意点の一つが、「法人のお金」と「個人のお金」が分離されることです。
法人の資金を個人に移す正規の方法は役員報酬のみで、定期同額給与を守らなければ経費として認められません。
役員報酬以外で資金を引き出すと「役員貸付金」となり、利息課税の対象になることで金融機関にも公私混同と判断されます。
個人所有物件を法人に移す場合、不動産取得税や登録免許税が必要で、個人側では譲渡所得税が発生する可能性があります。
株式会社は役員任期ごとに重任登記が必要となり、事務的負担も増加するでしょう。

まとめ

不動産投資の法人化は、会社形態と商号を決め、定款や印鑑を準備したうえで登記し、税務署へ届出をして完了します。
メリットは、役員報酬による節税、赤字の10年間繰越、個人とは別の融資枠を確保できることです。
一方で、設立費用や赤字でも発生する維持費、そして法人口座の資金を自由に使えない点には注意が必要です。

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