競売物件とは?競売物件を購入するメリット・デメリットについて解説

不動産の購入

田中 康義

筆者 田中 康義

不動産キャリア12年

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住宅・不動産・保険・資産運用・教育資金・老後・生活全般のお金に関する事柄を、ファイナンシャルプランナー・宅地建物取引士・競売不動産取扱主任者・日商簿記2級・全珠連暗算1級を持つ私が、「お住まいコンシェルジュ」家造りコンサルティングサービスを通して、皆様のお役に立てるようお付き合いして参ります。

競売物件とは?競売物件を購入するメリット・デメリットについて解説

自宅購入を検討されている方のなかには、「できるだけ費用を抑えたい」などの理由で競売物件に注目する方も少なくありません。
そこで本記事では、競売物件とはなにか、競売物件を購入する際に知っておきたいメリットとデメリットを解説します。
マイホームの購入を検討中の方は、ぜひ参考になさってください。

購入前にチェック!競売物件とは?

購入前にチェック!競売物件とは?

売り出し中の物件を探す際、物件情報のなかで「競売物件」を目にすることもあるでしょう。
競売物件とは、ローンや税金などの支払いが滞った結果、債権者が裁判所に申し立てをおこない、裁判所が強制的に売却の手続きを進める物件のことです。
競売物件の基本的な仕組みや特徴について解説していきます。

競売物件の仕組み

まず、競売物件がどのような経緯で売りに出されるのかを押さえましょう。
競売物件は、住宅ローンや税金などの支払いができなくなったオーナーに対して、債権者(多くは金融機関や自治体など)が裁判所を通じて強制的に売却を進める仕組みで登場します。
通常、不動産を購入するときは、売主と買主が合意のもと売買契約を結びますが、競売ではオーナーの意思に関わらず、法律に基づいた強制力で物件が売りに出される点が大きな特徴です。
また、競売物件は裁判所が公示している「物件明細書」や「評価書」「現況調査報告書」を確認すると、物件の状態や権利関係などを調べることができます。
ただし、通常の売買と比べて内覧や設備の確認が難しく、実際の住環境や不具合の程度を把握しづらいケースもあるため、書類をじっくり読み込んだうえで慎重に検討することが大切です。

競売物件と住宅ローンの関係

競売物件が登場する背景には、住宅ローンの返済が続けられなくなる状況があります。
たとえば、転職やリストラなどで収入が大幅に減少したり、病気や介護などで予想外の支出が増えたりすると、毎月の返済が困難になるケースがあります。
すると、金融機関は滞納者に対して支払いの催促をおこない、それでも改善されない場合は最終手段として競売の申し立てに踏み切ることになるのです。
一方、購入希望者の立場から見れば、競売物件を落札した後に住宅ローンを組むことも可能ですが、金融機関によっては融資が難しくなる場合もあります。
競売物件の落札後には、残置物の処分費や修繕費が予想以上にかさむ可能性があるため、必要資金をしっかり見積もっておくことが大切です。

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競売物件を購入するメリットとは?

競売物件を購入するメリットとは?

競売物件を購入するメリットは、以下のとおりです。

メリット①安い物件を手に入れるチャンス

競売物件の最大の魅力は、何といってもその価格の安さです。
通常の売買では、売主と仲介の不動産会社を通じて市場価格でやり取りがおこなわれるため、相場に近い金額になります。
一方、競売物件の場合は、債務者(元の所有者)が住宅ローンなどの支払いを滞納してしまい、債権者(金融機関など)が裁判所を通じて強制的に売却している背景があります。
売主に「より高い価格で売りたい」との意思決定が介在しないため、最低入札価格は市場価格よりも低く設定されるケースが少なくありません。
その結果、落札価格が相場より大幅に安くなることもあり、資金を抑えてマイホームを入手したい方にとっては大きなメリットとなります。
ただし、安さを追求するあまり、物件の修繕費や引き渡しリスクなどを見落としてしまうと、結果的に高くついてしまう可能性もあるため、事前の情報収集は入念におこなうことが大切です。

メリット②簡単な手続きで購入できる

競売物件の大きなメリットの1つは、購入手続きが通常の不動産取引よりもずっとシンプルな点です。
一般的な売買では、所有権移転登記や抵当権抹消登記を司法書士に依頼し、売買契約から決済・引き渡しまで複数の手続きを当事者同士で進める必要があります。
しかし、競売物件の場合、これらの登記や引き渡しに関する事務は、すべて裁判所が代行してくれるため、買主がおこなうのは以下の4ステップのみです。

●入札書類の提出
●暴力団員に該当しない旨の誓約書提出
●保証金の納付
●落札後の購入代金の支払い


手続きが簡略化されることで時間と費用を抑えやすく、買主の負担が軽減されるのが大きな魅力です。

メリット③多様な物件から選択できる

競売物件は、一戸建てやマンション、土地だけでなく、商業用ビルや倉庫なども対象になることがあるなど、取り扱われる物件の種類が「多様」です。
マイホームとしての利用だけでなく、投資用やセカンドハウスなど、さまざまな目的に応じた物件が出品されるため、意外な掘り出し物を見つけられるチャンスもあります。
また、競売物件が扱われるエリアも広範囲にわたるため、自分の住みたい地域で思わぬ好条件の物件に巡り合える可能性があります。

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競売物件を購入するデメリットとは?

競売物件を購入するデメリットとは?

競売物件を購入するうえで注意すべき主なデメリットは、以下のとおりです。

デメリット①内覧が困難なケースがある

競売物件は、通常の不動産売買のように売主や仲介業者を通じて内覧をすることが難しい場合が多いです。
そもそも、競売にかけられている物件の所有者(または占有者)が物件に住んでいるケースも少なくありません。
通常の売買では、オーナーが自発的に協力し、内覧の日時や見学範囲を決めることができます。
しかし、競売では裁判所が強制的に売却手続きを進めているため、居住者が内覧に応じてくれるとは限りません。
さらに、物件のなかを細かく確認できないまま入札をおこなうことになると、後になって設備の故障や建物の劣化状況が判明するリスクが高まります。
資料(物件明細書や現況調査報告書、評価書など)を通じて外観や法的情報を把握できるとはいえ、細部までは分からないことがほとんどです。
そのため、競売物件を購入する際は、ある程度の修繕費用やリフォーム費用の発生を前提に、予算を組んでおく必要があります。

デメリット②引き渡し義務がないためトラブルになる可能性

通常の不動産売買では、売主に物件を引き渡す「義務」があり、契約書にも引き渡し時期や条件が明確に定められています。
しかし、競売物件の場合、物件を落札しても、そこに住み続けている方が任意に退去してくれないケースがあるのです。
裁判所による競売手続きが完了し、買受人(落札者)の所有権移転登記が終わっていても、実際には物件を明け渡してもらえない可能性があります。
このような場合、強制執行(明け渡しの手続き)をおこなわなければならず、時間や手間、追加費用がかかる場合もあります。
また、物件の残置物の処分や室内の清掃にも手が回らないまま引き渡されることがあるため、後々の作業負担が大きくなる点もデメリットです。
一般的な売買であれば、「引き渡し時点で室内の残置物は売主が処分する」といった取り決めがおこなわれますが、競売では、そうした取り決めが期待できないことが多い点に注意が必要です。

デメリット③契約不適合責任が免除される

2020年の民法改正により、買主は契約内容と異なる点(不具合など)が見つかった場合に、売主に対して補修や損害賠償などを請求できるようになりました。
しかし、競売物件では原則として、この「契約不適合責任」が免除される扱いになります。
通常の売買であれば、契約不適合責任の範囲や期間を売主と買主が交渉することによって、買主は一定の保証を受けることができます。
しかし、競売の場合は、裁判所が売主に代わって強制的に物件を売却しているため、物件に何らかの欠陥があっても、落札者が補修費用や損害を負担しなければならないケースがほとんどです。

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まとめ

競売物件とは、ローンや税金などの支払いが滞った結果、債権者が裁判所に申し立てをおこない、裁判所が強制的に売却の手続きを進める物件のことです。
競売物件を購入するメリットは、安い価格で手に入れられる、手続きが簡単、そして多様な物件があることなどが挙げられます。
一方で、「内覧ができず状態を把握しにくい」「引き渡し義務がない」「契約不適合責任が免除される」といったデメリットがあります。

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