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越境物がある不動産の売却方法は?注意点や隣地との交渉も解説

不動産の売却

田中 康義

筆者 田中 康義

不動産キャリア12年

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住宅・不動産・保険・資産運用・教育資金・老後・生活全般のお金に関する事柄を、ファイナンシャルプランナー・宅地建物取引士・競売不動産取扱主任者・日商簿記2級・全珠連暗算1級を持つ私が、「お住まいコンシェルジュ」家造りコンサルティングサービスを通して、皆様のお役に立てるようお付き合いして参ります。

越境物がある不動産の売却方法は?注意点や隣地との交渉も解説

売却予定の土地や建物の越境問題を指摘され、どう対策すべきか頭を悩ませていませんか。
越境不動産は、売却時にトラブルを招きやすく、価格交渉や買い手探しへ影響を及ぼしやすいです。
この記事では、越境物件を売却するときに知っておきたい基礎知識と注意点、さらに具体策を解説いたします。
越境問題で頭を抱える方は、ぜひこの記事をご参考になさってくださいね。

不動産売却でよく耳にする越境とは

不動産売却でよく耳にする越境とは

定義を理解すると売却の準備が大幅に進み交渉で慌てずに済みます。
まずは越境の意味を正しく整理していきましょう。

越境の法律上の意味

越境とは、建物の屋根や塀、枝根などが境界線を越えて、隣地の空間や地下に侵入している状態を指します。
民法では、土地の所有権が空中と地下にも及ぶと定められており、少しのはみ出しでも権利侵害と評価されます。
境界から50cm以内に建物を建てる場合は、隣地へ配慮し、許可を得なければならないという相隣関係のルールも確認しましょう。
無断越境が起きれば、工事の中止請求や損害賠償請求の対象になり、売却前に適切な対応策を講じる必要があります。
判例でも、越境が認められると建物の一部取り壊しを命じられた例があるため、油断は禁物といえます。

代表的な3つの越境例

代表的な越境物は、塀やブロック塀、樹木の枝根、建物の庇や室外機の3種類です。
老朽化で塀が傾くケース、枝が伸びるケース、庇が境界を越えるケースなど、意図せず発生する場合が多い点が特徴です。
2023年4月の民法改正で枝が越境した場合、条件を満たせば、隣地所有者が自己負担で伐採できるようになりました。
いずれの例でも、買主はリスクを強く意識するため、売却前に現況把握と対策方針の提示が欠かせません。
とくに、地下の根が伸びている事例は見えにくく、専門家のボーリング調査で初めて判明することもあります。
越境箇所を写真と寸法付きの図面で可視化しておくと、買主が状況を理解しやすく、説明負担が減ります。

越境を放置するリスク

越境を放置したままの売却には、隣地トラブル、契約不適合責任、資金計画の狂いという3つの大きなリスクがあります。
新オーナーが越境物の撤去を強硬に求めれば、訴訟に発展し、解決費用と時間が膨らむおそれがあります。
告知義務を怠ると、代金減額や契約解除請求を受ける可能性があり、結果として手取りが想定より少なくなるでしょう。
また、越境物件は担保価値が低いと判断され、買主の住宅ローン審査が通りにくく、売却までの期間や価格が下がりやすい傾向にあります。
ローン難航は買主数を減らし、結果として値引き交渉を受けやすく、機会損失が生じやすい点にも注意しましょう。

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越境不動産を売却する注意点

越境不動産を売却する注意点

注意点を押さえることで、後戻りのない安全な取引を実現できます。
ここでは、越境不動産を売却する際の確認事項について解説いたします。

境界確定と測量の重要性

境界確定測量は、越境問題解決の土台となる工程で、売買契約書作成やローン審査にも直結します。
土地家屋調査士が、「公図」「現地」「官民境界」を照合し、隣接地所有者全員の立会いのもと、境界点を合意します。
合意内容は、筆界確認書と確定測量図にまとめられ、買主は将来の境界紛争リスクを大幅に軽減することが可能です。
測量費用は、一般的な住宅地で50万円から100万円程度ですが、越境が複雑な市街地では200万円を超える場合もあります。
なお、費用は売主が負担するのが慣例であり、早期に見積もりを取得して資金計画へ組み込むことが重要です。
立会い日程の調整には時間を要するため、売却スケジュールを立てる際は、余裕を持つことが望ましいでしょう。

覚書作成と取り決め

覚書は、現況を前提に売買する場合のリスク管理ツールで、当事者間の合意内容を明文化します。
文書には、越境物の種類や位置、寸法、解消期限、費用負担の方法、さらに将来の譲渡時継承条項を盛り込みます。
調印には、売主、買主、隣地所有者の三者が立ち会い、司法書士が内容を法的にチェックすると安全です。
覚書があることで、買主はローン審査へ提出しやすく、金融機関も担保評価を柔軟におこないやすくなります。
ただし、解消期限が長期の場合、価値下落リスクは残るため、追加担保を要求される可能性もあります。
隣地所有者が高齢か遠方在住の場合は、郵送やオンライン面談で合意を取るなど、柔軟な対応を検討しましょう。

ローン審査への影響

住宅ローンの審査では、担保評価と法律リスクが総合的にチェックされ、越境物があると減額や否決の要因になります。
とくに、再建築不可や訴訟中の物件は評価ゼロとなることもあり、審査打診前にリスク軽減策を提示することが重要です。
覚書を提出しても内容が不十分だと、追加書類や補強工事を条件付けられることがあるため、注意しましょう。
また、金融機関に説明する際は、確定測量図や覚書にくわえ、撤去見積書など、将来の解消が現実的である証拠を示すと効果的です。

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越境不動産を売却する3つの方法

越境不動産を売却する3つの方法

売却方法を比較すると、自分に合う最適なルートが見えてきます。
ここでは、越境不動産を売却する代表的な3つの方法について、解説いたします。

越境物を取り除く方法

越境物を完全撤去することで、トラブルの種を根本から解消し、買主の安心感を最大化できます。
手順としては、確定測量で越境箇所を特定し、隣地所有者へ工事内容、期間、騒音影響を説明し、同意書を取得する流れです。
工事費は、塀撤去が1㎡あたり8,000円前後、枝伐採が1本数千円から、建物解体が数十万円と、種類で大きく異なります。
完了後に、越境解消証明書や写真を用意すると、買主や金融機関への説明資料として活用できるでしょう。
また、撤去後は、境界標を再確認し、隣地所有者と共同で写真付きの確認書を作成しておくと、後日の証明に役立ちます。
工事中の安全管理や粉じん対策を専門業者へ依頼すると、近隣クレームを防ぎ、スムーズな引き渡しがかないます。

覚書で現況売買にする方法

覚書を活用した現況売買は、撤去費用を抑えつつ、早期に取引を成立させたい場合に適しています。
覚書には、将来の建替時に撤去する義務や費用負担割合を明記し、買主が納得できる補償内容を提示することが重要です。
価格は相場より5%から10%下がる傾向ですが、測量費や工事費を勘案すると、売主の手取りが逆に増える場合もあります。
ただし、覚書の存在自体がネックとなり、内覧件数が減少する可能性があるため、販売期間の長期化に備えましょう。
金融機関によっては、覚書の内容を評価し、金利優遇幅が変わるケースもあり、交渉材料となることがあります。
将来の建物計画をヒアリングし、撤去時期を柔軟に決めることで、買主の納得度を高め、成約率を向上させられます。

買取で売却する方法

買取は、価格よりスピード、安全性を重視する方に最適で、瑕疵担保責任免除の契約が主流です。
不動産会社が買主となるため、隣地交渉や解体工事、測量手続きなどはすべて業者負担で進み、心理的負担が軽減されます。
買取価格は市場相場の6割から8割程度ですが、仲介手数料ゼロや即時現金化、修繕不要といった利点が上回るケースもあります。
また、費用負担や時間的制約を考慮し、手元資金を早く確定させたい場合は、買取の比較見積もりを取得すると判断材料が増えるでしょう。
複数業者に査定を依頼する際は、越境解消にかかる想定コストをヒアリングし、価格差の理由を見極めることが重要です。

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まとめ

越境は、境界を越える建物・塀・枝根などが原因で、売却価格ローン審査トラブルリスクを高めてしまいます。
境界確定測量と覚書の準備で、買主の不安と金融機関の担保リスクを減らし、安全な取引を実現しましょう。
「撤去」「覚書」「買取」の3つの方法を比較し、費用・時間・安心感のバランスから、最適な売却方法を選択することが成功への近道となります。

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