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不動産売却における土地の分筆について!メリットや方法も解説

不動産の売却

田中 康義

筆者 田中 康義

不動産キャリア13年

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住宅・不動産・保険・資産運用・教育資金・老後・生活全般のお金に関する事柄を、ファイナンシャルプランナー・宅地建物取引士・競売不動産取扱主任者・日商簿記2級・全珠連暗算1級を持つ私が、「お住まいコンシェルジュ」家造りコンサルティングサービスを通して、皆様のお役に立てるようお付き合いして参ります。

不動産売却における土地の分筆について!メリットや方法も解説

所有する土地が広すぎて売却しづらい、あるいは土地の一部だけを手放したいとお考えではありませんか。
そのような場合、土地を法的に分けて売却する「分筆」という手続きが有効な選択肢となります。
本記事では、不動産売却における分筆の基礎知識からメリット・デメリット、手続きの流れまでを解説いたします。
ご自身の不動産を最適なかたちで売却したいとお考えの方は、ぜひ本記事をご参考になさってください。

分筆とは

分筆とは

不動産売却における分筆には、押さえておきたい基礎知識があります。
まずは、分筆の定義や登記、必要なケースについて解説していきます。

土地を分ける仕組み

「分筆」とは、登記簿上で1つの土地を、法的に2つ以上に分割する手続きのことです。
土地は「筆」という単位で登録されており、それぞれに「地番」という固有の番号が付けられ区別されています。
法務局で「分筆登記」という手続きを完了させて初めて、分けられた土地がそれぞれ独立した不動産として法的に認められます。
分筆登記がおこなわれると、新しく分けられた土地には、新しい地番が与えられる仕組みです。

分筆と登記簿の関係

分筆の手続きが完了すると、法務局が管理する登記簿(登記事項証明書)の内容が新しくなるのです。
登記事項証明書は、土地の場所や面積といった物理的な状況を示す「表題部」と、所有権などの権利関係を示す「権利部」からできています。
まず、元の土地の登記事項証明書(表題部)には、分筆で土地の一部が分けられた結果、面積(地積)が減ったことが記録されます。
また、「原因およびその日付」の欄には、「令和〇年〇月〇日 10番2に分筆」のように、いつどの土地へ分筆したかが記載されるのです。
一方、新しく誕生した土地については、全く新しい登記事項証明書が作られることになります。
こちらの表題部には、新しい地番や土地の種類(地目)、そして測量によって計算された正確な面積が載ります。

売却で分筆する理由

不動産売却の場面で分筆が検討される理由は、「土地の一部だけを売りたい」場合です。
たとえば、持っている土地が広すぎて総額が高くなり、そのままでは買い手が見つかりにくいケースが挙げられます。
また、ご自宅が建つ敷地の一部、たとえば、庭や駐車場に使っている部分だけを売って現金化し、自宅は手元に残したいという要望も多いです。
分筆によって売りたい部分だけを法的に独立した土地にすれば、その部分だけを切り離して売買の対象にできます。
そのほか、建築の条件を整えるために分筆が必要となるケースもあり、これは建築基準法が関係します。
広い土地に親世帯と子世帯の二軒の家を建てたり、一部にアパートを建てて残りを売ったりする場合、敷地を法的に分ける必要があるのです。

分筆のメリット・デメリット

 分筆のメリット・デメリット

前章では、分筆の基礎知識について述べましたが、実際のメリット・デメリットも気になりますよね。
ここでは、分筆がもたらす影響について解説いたします。

資産価値を高める利点

土地の分筆が持つメリットは、買ってくれる方の層を大きく広げられる可能性がある点です。
たとえば、とても広い土地をそのまま売ろうとすると、価格が高額になって買い手が限られてしまいます。
しかし、需要の高い100㎡から150㎡ほどの広さに分筆して価格を抑えれば、個人の買い手もターゲットに含めることができるでしょう。
また、資産価値を一番良い形にできるという側面もあり、たとえば形の整っていない土地でも、利用価値の高い道路に面した部分だけを切り分けて売却できます。
分筆は、円満な相続を実現する対策としても有効で、一つの土地を複数の相続人で共有する状態を避けられます。

費用や期間の注意点

一方で、分筆をおこなう際のデメリットは高額な費用がかかることで、分筆登記の前提として「境界確定測量」が必要です。
この測量は、隣の土地だけでなく、道路や水路といった公的な土地との境目も、法的にハッキリさせる作業を指します。
土地家屋調査士に頼む費用は、総額で50万円から100万円以上かかるケースも珍しくありません。
くわえて、手続きに予想以上の時間がかかるリスクも考えなければならず、隣の土地の所有者全員から境界の同意をもらう必要があります。
万が一、隣地の所有者が協力的でない場合、承諾を得る作業だけで数か月以上止まってしまうこともあるでしょう。

税金や使い勝手の比較

分筆を最終的に決めるうえでは、土地の種類(地目)や税金、そして将来の使いやすさも総合的に考えなければなりません。
まず、地目については、登記簿上の「畑」を「宅地」に変えたい場合、利用状況に合わせて分筆することが必要です。
とくに注意したいのが税金への影響で、ご自宅が建つ土地に適用される固定資産税が安くなる特例が関係します。
この特例は、200㎡までの部分の税額を軽くするものですが、分筆して更地にした部分は対象から外れてしまいます。
つまり、売却する部分の土地は、買い手が見つかるまでの間、固定資産税が最大で6倍に跳ね上がる可能性があるのです。
一度分筆した土地を元に戻す「合筆登記」は、また費用がかかる上に制約もあるため、慎重な計画が求められるでしょう。

分筆の手続き方法と専門家選びのコツ

分筆の手続き方法と専門家選びのコツ

ここまで、分筆の基礎知識やメリット・デメリットを解説しましたが、実際の手続き方法もおさえておきましょう。
最後に、分筆手続きの流れと専門家に依頼するコツについて、解説していきます。

申請までの流れ

土地の分筆手続きは、登記と測量の専門家(国家資格者)である、土地家屋調査士への相談からスタートします。
まず、土地家屋調査士は法務局や役所で登記簿や地図(公図)などの資料を調べ、分筆できるか法的な制限はないかを把握します。
次に、「境界確定測量」の段階に入りますが、これには多くの時間が必要です。
隣が個人の土地である場合は、土地家屋調査士が境界の案を作り、お隣の所有者全員と現地で「立ち会い」をします。
全員の同意が取れたら、「筆界確認書」という書類にサインと押印をもらうことで、個人間の境界(民々境界)が確定する流れです。
また、土地が道路や水路など公の土地にくっついている場合は、役所に対して「官民査定」と呼ばれる、境界確定の申請が必要です。
すべての書類が整ったら、法務局へ「土地分筆登記」を申請し、審査が終われば登記が完了することで新しい登記簿が作られます。

土地家屋調査士の費用

分筆手続きにかかる費用は、そのほとんどが土地家屋調査士へ支払う報酬です。
分筆登記申請だけの報酬相場は5万円から10万円ほどですが、総額の多くを占めるのは境界確定測量の費用です。
標準的な住宅地で、役所との立ち会い(官民査定)が1か所必要なケースの場合、総額で50万円から100万円程度が費用の目安となります。
土地の面積がとても広かったり、形が複雑だったりすると、その分手間が増えて費用は上がります。

境界立会いの注意点

分筆手続きで大変なのは、隣の所有者との「境界立ち会い」で、測量データだけでなくお互いの合意が必要です。
専門家に任せきりにせず、ご自身もできる限り立ち会いに参加し、きちんと挨拶することが望ましいでしょう。
万が一、立ち会いやサインを拒否された場合は、法務局の「筆界特定制度」や裁判といった最後の手段もあります。
官民査定は時間がかかるものと考えて、スケジュールに十分な余裕を持たせることが大切です。

まとめ

「分筆」とは、1つの土地を登記上で複数に分ける手続きで、土地の一部だけを売りたいときなどに必要です。
土地を売りやすくできるメリットがある一方で、測量費用が高く、固定資産税が上がる可能性があります。
土地家屋調査士への依頼や隣地立ち会いが必要で、完了まで時間がかかる点にも注意しましょう。

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