傾いた家は売却できる?価格への影響や告知義務についても解説の画像

傾いた家は売却できる?価格への影響や告知義務についても解説

不動産の売却

田中 康義

筆者 田中 康義

不動産キャリア12年

Your Lifetime Partnerが信条です!
一生のパートナーとしてのお付き合いを致します!

住宅・不動産・保険・資産運用・教育資金・老後・生活全般のお金に関する事柄を、ファイナンシャルプランナー・宅地建物取引士・競売不動産取扱主任者・日商簿記2級・全珠連暗算1級を持つ私が、「お住まいコンシェルジュ」家造りコンサルティングサービスを通して、皆様のお役に立てるようお付き合いして参ります。

傾いた家は売却できる?価格への影響や告知義務についても解説

ご自宅の傾きにお悩みで、「そもそも、傾いた家でも売却できるのだろうか」と不安に感じていませんか。
傾いた家でも売却は可能ですが、成功の鍵は傾きの程度を正しく把握し、状況に合った最適な売却方法を選ぶことにあります。
本記事では、家の傾きの許容範囲や売却価格への影響、そして売却方法の選択肢までを解説いたします。
家の傾きに関する不安を解消し、納得のいく売却を実現したい方は、ぜひご参考になさってくださいね。

家の傾きの許容範囲はどれくらい?

家の傾きの許容範囲はどれくらい?

傾いた家を売却するにあたり、傾きがどの程度問題なのかを把握することが重要です。
まずは、家の傾きの許容範囲や法的な基準、自分で傾きを調べる方法について解説していきます。

品確法が定める傾斜基準

住宅の品質を守るための法律に、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」、通称「品確法」があります。
この法律に基づき、国土交通省は住宅の傾きについて、具体的な技術的基準を定めているのです。
その基準によると、床の傾斜が1mあたり3㎜未満、つまり「1000分の3未満」であれば、欠陥がある可能性は低いと判断されます。
一方で、床の傾斜が1mあたり6㎜以上、すなわち「1000分の6以上」になると、欠陥が存在する可能性が高いと見なされるでしょう。
この1000分の6という傾斜は角度にすると約0.34度で、人によってはめまいや頭痛といった、健康被害を感じることもあるといわれています。

「瑕疵」と売主の説明義務

建物の傾きが基準を大幅に超えているような状態だと、法的に「瑕疵(かし)」と判断される可能性が高まります。
瑕疵とは、売買される不動産が本来備えているべき、品質や性能を欠いている状態のことです。
万が一、家の傾きが契約内容と違うと判断されれば、契約不適合責任として、買主は売主に対して傾きを直してもらうよう求める「追完請求」ができます。
そのため、売主はご自身の家に傾きがあると知っている場合、その事実を買主に正直に伝える「告知義務」をおこなわなければなりません。

傾きの調査方法と費用感

ご自宅の傾きを調べる方法として一番手軽なのは、ビー玉やゴルフボールを床に置き、どの方向へ転がるかを確認することです。
また、ホームセンターなどで購入できる水平器を床の複数箇所に置くことでも、傾きの有無や方向を把握できるでしょう。
しかし、正確な傾きの角度まで測るのは難しいため、売却を考えているのであれば、専門家による詳しい調査をおこなうことが大切です。
依頼先としては、住宅診断士(ホームインスペクター)や建築士事務所などが挙げられます。
専門家による一般的な傾き調査にかかる費用は、建物の広さにもよりますが、5万円~10万円程度が目安です。

▼この記事も読まれています
現状渡しとはどのような不動産売却方法か?メリットとデメリットも解説!

家の傾きは売却価格にどう影響する?

家の傾きは売却価格にどう影響する?

前章では家の傾きの基準について述べましたが、実際に売却価格へどう影響するのか気になりますよね。
ここでは、家の傾きが売却価格に与える影響や、価格が下がってしまう要因について解説いたします。

傾きの度合いと減価率の目安

家の傾きが売却価格に与える影響は、傾斜の大きさによって変わります。
まず、専門家の調査で傾きが「1000分の3未満」というごくわずかな場合、売却価格への影響は比較的小さいです。
傾きが「1000分の3以上6未満」の場合は、多くの方が違和感を覚えるため欠陥として扱われ、健全な物件に比べ市場価格から10%~30%価格が下がります。
また、傾きが「1000分の6以上」で健康や安全性への心配が深刻になると、市場価格から30%~50%あるいはそれ以上の減額を覚悟する必要があります。
とくに、傾きが「1000分の10」を超えるような深刻なケースでは、建物そのものに価値はほぼ無いと見なされてしまうでしょう。

修繕の費用感と耐震リスク

傾いた家の査定額を直接押し下げてしまう要因は、修理にかかる高額な費用です。
家の傾きを根本から直す工事には、数百万円単位の費用がかかることも珍しくありません。
また、修理費用と並んで査定額に深刻な影響を与えるのが、耐震性に対するリスクです。
家が傾いている状態では、地震が起きたとき、揺れの力を建物全体でうまく受け止められません。
そのため、建物の一部に力が集中し、損傷したり倒壊したりする危険性が高まってしまいます。

買主心理とローン審査の壁

物理的な欠陥だけでなく、買主の心理や金融機関の評価といった市場側の要因も、価格を下げることにつながります。
多くの買主は、住宅購入に「安心」と「安全」を求めるため、「傾いた家」という事実に強い不安や抵抗を感じてしまいます。
この心理的な壁が購入希望者を遠ざけ、結果として売却価格は下がらざるを得なくなるのです。
さらに深刻な問題として、住宅ローン審査が通りにくくなるという現実的な壁があります。
金融機関は、融資の際に物件の担保価値を厳しく見ますが、傾いた家はとても低い評価を受けてしまいます。
金融機関によっては、構造的な欠陥がある物件を担保として不適切だと判断し、ローン自体を断る場合も珍しくありません。

▼この記事も読まれています
不動産売却における媒介契約の種類と特徴について解説!

傾いた家の売却方法

傾いた家の売却方法

ここまで、家の傾きの基準や価格への影響を解説しましたが、売却方法もおさえておきましょう。
最後に、傾いた家を売却するための3つの方法と、それぞれの長所と短所について解説していきます。

①そのまま買取業者へ売却

1つ目は、傾きを直さずに「ありのままの状態」で売却する方法です。
この場合、主な売却先は、欠陥のある物件を専門に扱う不動産買取業者となるのが一般的です。
この方法は、売主が高額な修理費用を負担しなくて済む点がメリットとなります。
また、売主が負う「契約不適合責任」を免除する特約を付けて契約できることも特徴の1つです。
一方で、売却価格が市場の相場に比べて、安くなってしまう点がデメリットとして挙げられます。
買取業者は、修理費用や再販する際の見込みなどを考えるため、価格は相場の5割~7割ほどになることが多いです。

②修繕してから売却する

2つ目の方法は、家の傾きを修理してから、一般の市場で売却するというやり方です。
この方法は、傾きの程度が比較的軽く、修理にかかる費用以上に売却価格が上がる見込みがある場合に有効といえます。
一方で、この方法には多額の費用をかけて直しても、思ったような価格で売れないという危険性が伴います。
一度、傾いた家という事実が買主の心理に影響し、値引き交渉の材料にされる可能性も否定できません。
この方法を選ぶ際は、事前に業者から見積もりを取り、慎重に費用対効果を考えることが不可欠です。

③解体して更地で売却する

3つ目の方法は、建物を壊し、土地だけの「更地」の状態にしてから売却する方法です。
この選択肢は、建物の傾きがかなりひどい場合や、建物自体が古く資産価値がない場合に検討されます。
一般的な木造住宅の解体費用は、120万円~180万円程度が目安で、工事期間は2週間~1か月ほどかかります。
この方法の長所は、建物についての契約不適合責任を心配する必要がなくなることです。
一方で、更地にすると、固定資産税が最大で6倍に跳ね上がる可能性があります。
また、売却までに時間がかかった場合、自宅を売ったときの3,000万円控除の特例が使えなくなる可能性もあります。

▼この記事も読まれています
不動産売却のインスペクションとは?メリットや費用も解説

まとめ

家の傾きは、1mあたり6㎜以上で欠陥と見なされる可能性が高く、売主は後々のトラブルを避けるために告知する義務があります。
傾きが大きいほど高額な修繕費が見込まれるため、売却価格は大幅に下がり、買主の不安やローン審査の問題も価格下落の要因です。
売却はそのまま買取業者に売る、修繕してから売る、解体して更地で売るという3つの方法がありますが、状況に応じて選ぶと良いでしょう。

株式会社TEAM ZEROの写真

株式会社TEAM ZERO

松本市周辺に根差したきめ細やかな提案で、お客様一人ひとりの価値観に寄り添った対応を心がけています。
不動産は人生を左右する大きな選択だからこそ、誠実な情報提供と親身なサポートを信条としています。

■強み
・何度でも相談無料
・ライフスタイルに合わせた提案と購入後のアフターサポート
・地域密着型ならではの迅速で丁寧な対応

■事業
・不動産売買(新築 / 中古の戸建てや土地)の提案
・ライフプランに加えて、住宅ローンや保険に関する相談対応など


”不動産の売却”おすすめ記事

  • 不動産買取のメリットは?仕組みや注意点についても解説の画像

    不動産買取のメリットは?仕組みや注意点についても解説

    不動産の売却

  • 越境物がある不動産の売却方法は?注意点や隣地との交渉も解説の画像

    越境物がある不動産の売却方法は?注意点や隣地との交渉も解説

    不動産の売却

  • 不動産売却の買取保証の仕組みは?メリットや条件も解説の画像

    不動産売却の買取保証の仕組みは?メリットや条件も解説

    不動産の売却

  • 不動産売却時の火災保険の解約について!手続きや返金の流れも解説の画像

    不動産売却時の火災保険の解約について!手続きや返金の流れも解説

    不動産の売却

  • 遠方にある不動産を売却する方法について!売却の流れや注意点も解説の画像

    遠方にある不動産を売却する方法について!売却の流れや注意点も解説

    不動産の売却

  • 不動産売却で消費税が課税されるケースとは?注意点も解説の画像

    不動産売却で消費税が課税されるケースとは?注意点も解説

    不動産の売却

もっと見る